スーツ裾上げの長さの測り方
ウエストの高さを正確にするため、ベルトを着用して測ります。
ベルトを着用しない場合、ウエスト位置が変わってしまい、実際裾上げをした際に思っていた長さと異なった仕上がりになる恐れがあるため、出来る限りベルトを着用して測るようにしてください。
まずはスラックスを着用し、クッションの感じやバランスを見て、お好みの長さになるよう、裾口にピンで目印を付けます。
その後、実際の仕上がりのイメージにより近づけるため、目印を付けた部分からヘムを内側に折り、再度ピンで止めます。
この時、裾口が地面と平行に折れていないと、裾上げをした際、仕上がりのイメージが変わってしまう事がありますので注意してください。
スーツの裾の長さ目安
スラックスの太さに合わせた長さの目安
細め(裾幅17cm~18cm)
裾幅が細めのデザインは、少し裾丈を短めにする方がスッキリします。
ノークッションからハーフクッション程度(※1)の長さがおススメです。
あまり長くすると野暮ったい印象になりますので注意が必要です。
※1…靴の甲にかかるかかからないか、またはかからない長さ。
やや細め(裾幅19cm~20cm)
ノークッションだとやや短い印象になるのがこの裾幅、ハーフクッション程がシューズとのバランスも良く見えます。
太め・クラシカル(21cm以上)
太めのシルエットは「裾丈が長め」の場合、クッションがあまり綺麗に入らない場合があります。
ワンクッション程度(※2)が美しいシルエットに見える基準になりますので、あまりクッションがたるみ過ぎないように注意してください。
※2…靴の甲にかかるくらいの長さ。
着用イメージに合わせた長さの目安
カジュアルシーン
短めの裾丈で足元をスッキリ見せ、軽やかでスタイリッシュな着こなしが近年人気を集めています。
基本的に好みの長さでOKですが、ノークッションからハーフクッション程度の長さがおススメ。
特に春夏時期では、涼しげな見た目と動きやすさを両立する事が出来ますね。
ビジネスシーンのカジュアル化が進んでいますので、仕事着にも取り入れる事が出来ますが、短すぎる裾丈はカジュアルになりすぎて、職種によっては印象を悪くしてしまうため注意が必要です。
フォーマルシーン
冠婚葬祭などのフォーマルシーンでは、スーツの裾丈は長めにするのがマナーです。
裾丈が長い程フォーマル度も高くなるとされているため、ハーフクッションからワンクッション程度のやや長さがおススメです。
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スーツ裾上げの種類
シングル
シングル仕上げとは、裾を裏側に折ってまつるデザインで、表から見るとステッチなどの縫い目なども見えません。
正装である燕尾服やタキシードなどのフォーマルウェアがシングル仕上げである事から「フォーマル=シングル仕上げ」とイメージされます。
デザイナーのエディスリマンが手がけたDiorや、サンローランのスーツルックなど、ハイブランドのコレクションルックはほぼシングル仕上げです。
スッキリしたシルエットで着用シーンを選びませんし、脚が長く見えるというメリットがあります。
現代のビジネスシーンではシングル仕上げにする人が圧倒的に多い印象です。また、裾の長さの好みが変わったときなど、丈の再補正が比較的簡単で、折り返しの長さが短いものだと4センチ、長いものだと10センチほど。
折り返しの長さにもよりますが、一度ステッチをほどき裏側の折り返しを短くすることで、裾を長くすることも出来ます。
ダブル
ダブル仕上げとは、裾を折り返したデザインで、裾口に立体感が生まれ重みが出ます。
ダブルの幅は3.5cm~4cmが主流になっており、折り返し部分の留め方は「ホック留め」と「糸留め」の2種類から選びます。
ホック留めは小さな金具で留めますので、ホコリなどが内側にたまった時に簡単に外して掃除する事が出来ます。しかし、上から見ると金具が見えてしまいエレガントでは無い事と、金具の分生地に厚みが出るというデメリットがあります。
逆に、糸留めは折り返し部分を糸で留めるため、掃除はしにくいですが、生地の厚みが出ないという特徴があります。
ダブル仕上げはもともと外出着から起源しているため、カジュアルなイメージ。
ボリュームのある靴と相性が良く、ダブルの幅が広めであればそのボリュームにも負けない存在感を出すことが出来ます。
現代のビジネスシーンでは、シングルに比べるとカジュアルなイメージのダブル仕上げも、着こなしとして取り入れやすくなりました。
しかし、職種によってはNGという組織もありますので注意が必要です。
もちろん、正装である燕尾服やタキシードにダブル仕上げは相応しくありません。
裾上げを行う方法
自分で行う
ステッチが表に見えない手縫いで仕上げる
手縫い(まつり縫い)の裾上げ方法。
- 仕上がり線を決め、そこから縫い代を取り、残りをカットします。
- 内外の脇線がほつれてこないようにまつり縫いします。
- 仕上がり線をアイロンで型を付けていきます。
- 縫い代の端部分と、生地の裏部分をすくうようにまつり縫いしていきます。
- 表に返し、裾部分にアイロンをかけ完成。
裾上げテープで手軽に仕上げる
裾上げテープでの裾上げ方法。
- 仕上がり線を決め、アイロンをかけて折り目をつけます。
- パンツを裏返し、折り目も反対(内側)に折り直したあと、裾を一周するように裾上げテープを折り目に当て、2~3cmほど少し余裕をもってカットします。
- カットした裾上げテープを水でぬらして軽く絞ります。
- 裾上げする折り目部分に裾上げテープの接着面を置き、上から当て布を当ててアイロンを10秒ほど押し当てます。
- 少しずつアイロンを押し当てる工程を最後まで繰り返し、最後に裾上げテープが余ったらカットして、端までしっかりアイロンで接着して完成。
※裾上げテープによりアイロンの温度や使い方が異なる場合がありますので、購入された裾上げテープの説明書に従ってください。
店舗へ依頼する
洋服のお直し専門店に依頼する
洋服のお直しを専門にしているリフォームショップは、全国にたくさん存在します。
スーパーやファッションモール、百貨店などにもリフォームショップがありますので、足を運びやすい店舗に依頼してはいかがでしょうか。
事前に相談したい場合などは、ショップまでパンツを持っていくと見積りもしてくれますよ。
購入先のショップに依頼する
購入先のショップに持ち込むと、裾上げをリフォームショップに引き継いでくれる場合があります。
一度裾上げが可能かどうか、相談してみてはいかがでしょうか。
洋服クリーニング店に依頼する
洋服のクリーニング店でも、裾上げなどのサービスを取り扱っている店舗があります。
汚れが付いたまま裾上げを行うと、アイロンの熱などで汚れが取れなくなってしまう場合もありますので、汚れがある場合はクリーニングと同時に裾上げを相談してみましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は、スーツ裾上げの長さの目安、裾上げの種類(シングル・ダブル)についてご紹介しました。
一言で裾上げと言っても、着用シーンに合わせて最適な裾幅と長さ、裾上げの種類(シングル・ダブル)がありますので、参考にしてください。
もし、自分で長さを測るのが不安・心配という方は、年間約400万着のお直し実績があるフォルムアイまで!
フォルムアイのリフォームショップにはフィッティングもございますので、ご試着いただく事も可能です。
裾上げのご依頼お待ちしております。
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