スーツのサイズ直しはどこまで大きく(小さく)できる?料金や納期についても解説

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スーツのサイズ直しをする基準は?

スーツのボタンやファスナーが「閉めにくい」「きつくて苦しい」「緩くて落ちてくる」など、病気や食べ過ぎ、ダイエットやトレーニングによる体重の増減や、加齢による体の歪み、または流行の移ろいでいつも着ていた洋服に違和感を持つタイミングが、多かれ少なかれ皆様経験があると思います。

そういった場合に目安となる、パンツやジャケットのサイズ直しの基準をおおまかにご説明いたします。


 

アイテム別に見るサイズ直しの目安

アイテム別に見るサイズ直しの目安

スラックス・パンツ

丈(股下)の長さ

まず、丈の長さに関しては合わせる靴によって変わってきます。

具体的には靴の足の甲の高さ、ソールや紐の厚みなどでも裾の溜まり具合が違ってきますので、そのパンツに合わせる靴を一緒に持ってきて頂くのが間違いありません。
それに加えて、丈の長さはパンツの股上の深さやパターン(設計図)、生地の厚みなどでも変わってくるため、股下の目安があったとしても、一度ご試着いただくことをオススメします。

昨今のビジネススーツは細身のものが殆どです。
靴を履いて立っている状態でスッキリ見えるのはいいのですが、座った時に膝に引っ張られて想像以上に裾が上がって靴下が見えすぎてしまうこともあります。

また、座ったり立ったりの繰り返しや、階段の登り降りなどでも膝の動きに引っ張られて生地が上がってくるため、裾にピンを打った状態で座ったり、軽く動いてみたりすると仕上がりのイメージがつかみやすいです。

パンツを穿く位置は、股上の寸法にもよりますが、基本的には腰骨の位置で穿くことをオススメします。
上げすぎるとお尻が食い込んで見えたり、逆に下げすぎるとだらしない印象になったりしてしまいます。

裾幅18センチ~19センチ位のパンツであれば、ハーフクッションくらいがもたつきすぎずスッキリします。
裾幅が細いパンツだと、シューズのアッパーの高い位置に裾が当たります。

そのため気持ち短めにすると、見た目のバランスが良くなります。裾幅20センチ~22センチ位のパンツであれば、シューズのアッパーで1クッションするくらいの長さがオススメです。

いずれの丈感にしても、後ろ側にたるみがなく、生地がストンと落ちていることで、足が細く長く見えます。
以上の丈感に、座った時や動いた時の上がり具合を想定して、微調整をしていきます。

ジャケット

肩幅

ジャケットで1番大事なのが「肩幅があっているか」です、スーツは肩で着ると言われるくらい肩幅のサイズ感で印象がかわってきます。

大きすぎても小さすぎてもNG、小さすぎると背中の辺りに横ジワ(つきジワ)が入ってしまいます。
そういった場合に合わせてよく見られるのが、二の腕の筋肉が肩の付け根より出ており、袖の二の腕部分に窮屈ジワが入っている状態です。

肩幅は小さくすることは出来ますが、大きくすることは出来ないので購入時には特に注意しておきましょう。

袖丈

スーツの袖丈に関しては、下に着ているシャツが1センチ~1.5センチ見えるくらい、ジャケットの袖が親指の先から11センチ~12センチが目安とされています。
袖の細さによって動いた時に上がってくる分量も変わってきますので、ピンを打った状態で軽く動いてみて確認しましょう。

着丈

スーツの着丈の適性位置としてはお尻が隠れるくらいが理想とされています。
短すぎるとカジュアルな印象や子供っぽい印象になってしまうので注意しましょう。

身幅

身幅は細すぎても太すぎても動きづらさに直結します。
アームホールが大き過ぎれば腕を上げた時に必要以上に生地が引っ張られてしまいますし、小さ過ぎればまっすぐ立っている時は良くても、動いた時に窮屈感があります。

  1. ジャケットの腕の付け根のあたりに関しては、動いたときのゆとりとして少しつまめるくらい。
  2. お腹周りに関してはシワが入り過ぎず、かつ体の曲線に沿ってシェイプしている状態。
    胸元から掌がすんなりと入るくらいがジャストフィットとされています。
  3. 裾まわりに関してはベントがストンと落ちているゆとりがあるくらい。

 

以上の3点のバランスが整っていれば、理想とされている砂時計型に見えて綺麗なラインになります。

 


 

スーツのサイズ直しはどこまでできる?【スラックス・パンツ】

パンツのウエストは、緩すぎるとベルトで締めた時に余っている生地がギュッと寄ってシワが入ります。
逆にきつすぎるとお腹が圧迫されて苦しかったり、ポケットが引っ張られて不自然に開いてしまったりします。
立っている時にちょうど良くても座った時に苦しかったりすることもあるので、その点も踏まえて考えていきましょう。

パンツのウエストのサイズ調整(小さくする場合)

基本的には1サイズ程度が目安です、寸法で言うと3センチ~4センチ程度でしょうか。
例えばウエスト、お腹周りのサイズを細くしたい場合には後ろ中心の縫い目から調整していきます。
後ろ中心のみでウエストを詰める場合、おおよそ4センチが限度です。
※元々のパンツのシルエットにもよります。

1サイズ以上(3センチ~4センチ以上)の寸法を後ろ中心のみで詰めると、後ろ左右についているポケット同士が近くなり、元々のバランスが崩れる恐れがあります。
その場合には後ろ中心に加えて、両脇の2箇所も合わせて詰める「3方詰め」という修理方法になります。
両脇に付いているポケットの縫製にもよりますが、おおよその寸法の目安としては6センチ前後となります。

それ以上の寸法を詰める場合には「両脇のポケットの作り直し」「ヒップラインの調整」など、ウエスト以外の場所の調整も必要になってくるため、お急ぎで無い場合は仮縫いの工程を挟むことをオススメします。

パンツのウエストのサイズ調整(大きくする場合)

大きくする場合は小さくする場合と違い、生地の縫い代の分量によって大きくできる寸法が決まってきます。
基本的にはおおよそ2センチ~3センチ程度であれば後ろ中心のみで出せることもありますが、縫製の仕様によっては1センチも出せない場合もありますので注意が必要です。
仮に縫い代が全くない場合、同じ生地がある程度あればマチを入れるようにして広げることも可能です。

また、空腹時と満腹時でお腹の出具合も変わってきますので、採寸時にどのような状態なのかも重要になります。
ベルトをしていない状態で、自分の掌がちょうど入る程度のゆとりが適正なウエストサイズの目安になります。

ヒップ周りに関しては、窮屈すぎると横のポケットが開いてしまい窮屈な印象を与えてしまいます。
大きすぎるとお尻にたるみが出てシルエットを崩してしまうので要注意です。

スポーツマン体型の方はお尻周りのサイズに合わせて、ウエストは後で調整する、というのも一つの手かなと思います。

パンツの太ももの幅~裾幅のサイズ調整

太もものサイズ確認は、立っている状態で太ももの裏側の生地の余り具合をチェックします。
軽くつまめる位のゆとりがある状態が適正です。
つまみにくければ生地が足りておらず動きづらくなり、余裕がありすぎると必要以上に太く見えて、だらしない印象になってしまいます。

裾幅に関しては最近のビジネススーツで多いのが19センチ前後。
イタリアブランドのパンツだともう少し細く、17センチ~18センチ前後となります。

裾幅だけで考えるのではなく、全体のバランスや好みの丈感と照らし合わせながら調整していくとよいですね。

 

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スーツのサイズ直しはどこまでできる?【ジャケット】

パンツと同じく全体のバランスを崩さないようにと考えると「1サイズ程度」になります。
肩幅は約2センチ程度、袖丈は詰める分には何センチでも大丈夫ですが、長くするとなるとおおよそ2センチほど。
身幅は約4センチ程度、着丈はおおよそ2センチほどでしょうか。
もちろん元々のデザインで大きく変わりますのであくまで目安です。

肩幅調整

肩幅に関しては左右合わせておおよそ2センチ程度、それ以上の寸法を詰める場合は身幅も詰めて調整をしないと袖が付かなくなってしまいます。
肩幅を詰めるのと合わせて肩パッドの調整もすると雰囲気がまた変わりますので、肩幅を詰める時は肩パッドにも注目してみましょう。

また、先ほどお伝えした通り、肩幅に関しては広げることができません。

袖丈調整

袖丈は何センチでも詰めることができますが、詰める分量が多くなると伴って袖口の幅も広くなります。
3センチ以上詰める場合は、袖口の幅も見て、必要であれば元々の袖口幅に戻した方がよりスマートに見えます。

袖を長くする場合は、内側に畳まれている生地がカットされていないかの確認が必須になります。
カットされていないものでおおよそ2センチほど出すことができる場合もあります。

また、裏地も伴って出す必要がありますが、裏地はカットされている場合もあるので、その際は別の裏地を継ぎ足して調整することもあります。

身幅調整

身幅を細くする場合はお腹周りのあたりで約4センチ程度が目安です。
基本的に後ろ側の左右のラインから詰めていきます。
それ以上の寸法を詰める場合は、前側の縫い目や背中心も触って詰めていくこともあります。

身幅を広げる場合は内側の縫い代が残っている分量しか出せません。
基本的には約2センチ程度出る場合もありますが、元々のウエストのシェイプがきついと、縫い代にノッチと呼ばれる切れ込みが入っている場合もあるため、その場合は背中心から幅を広げることもあります。

着丈調整

着丈に関しては、基本的なスーツだとほとんどがフラップポケットのデザインになっております。

このデザインのポケットは着丈を詰めた分、フラップから裾までの長さが合わせて短くなりますので、たくさんの寸法を詰めてしまうと目に見えてバランスが悪くなります。
そのため、約2センチ程度に留めておくほうがバランスは崩れません。

稀にパッチポケットと呼ばれるデザインのスーツもあります。

このデザインのものに関しては、移動することもできますのでフラップポケットのものに比べると多く寸法を詰めることができます。
ただし、元々の縫製時に位置がずれないように、白色や水色、ピンク色の印を付けたうえでポケットをつけている場合もあります。
その場合、その印の跡が出てきてしまう場合もあるので注意が必要です。

 


 

以前購入したスーツを今っぽくすることはできる?

元々のデザインに左右されますが、幅を細くしたり短くしたりということはもちろん可能です。
昔のジャケットと今のジャケットで大きく違うのが、ゴージラインの角度です。

この角度だけは変えられないので、かなり昔のジャケットであれば、ややオーバーサイズで着るように全体的に調整してみたりするのもいいかもしれませんね。
最近ではカジュアルスタイルでもセットアップスタイルが浸透していますので、ビジネスではなくカジュアルで着用する、というのも選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか?

 


 

スーツのサイズ直しの料金相場と納期とは?

スーツのサイズ直しは、お直しする箇所により料金・納期ともに様々です。
ここで紹介する内容をもとに、予算感や着用したいタイミングなど、一度ご検討ください。

各種お直しの料金は店舗によって、納期は繁忙状況によって変動しますが、ここでは一例として<阪急メンズ東京リメイキングサロン>の目安料金・納期をご紹介します。

ジャケットのサイズ直しの場合

※全て阪急メンズ東京リメイキングサロンでの目安料金・納期となります。
※店舗により料金は変動しますのでご注意ください。また、繁忙状況により納期も変動します。

スラックス・パンツのサイズ直しの場合

※全て阪急メンズ東京リメイキングサロンでの目安料金・納期となります。
※店舗により料金は変動しますのでご注意ください。また、繁忙状況により納期も変動します。

 


 

スーツのサイズ直しをする際に注意するポイントとは?

ジャケットにもパンツにも言えることですが、実際に着用するシャツやシューズなどを一緒にお持ちいただくと完成後のイメージがわかりやすいです。
秋冬に着用するジャケットであれば中にベストやカーディガンを着るのか、寒い時期に着るパンツであれば、中にタイツ(ももひき)を着るのか。
靴下はロングホーズの靴下(膝下まで長さのある靴下)を履くのか。
内側に着るものの厚みでもサイズ感は変わってきます。
特にパンツは厚みの影響を受けやすいので注意が必要です。

あとは、ご自身のお好みのサイズ感で選ぶのか、街で着ていて違和感がない程度にするのか。
主観的に考えるか客観的に考えるかでも細かい部分に差が出てきますので、サイズ直しをする前にその辺りも一度考えてみるのはいかがでしょうか?

 


 

スーツのサイズ直しなら”フォルムアイ”にお任せください!

弊社ではエンドユーザーを対象とした洋服・バッグのリフォームショップを業界に先がけて全国に展開してまいりました。
創業以来50数年をかけて蓄積してきたお直しに関してのノウハウはかけがいの無いものがあります。

また全国200店舗を有しているため、高度な技術スキルを持った人も数多く存在しています。
そうした人たちを組み合わせて、その店舗で対応できない商品も対応できる仕組みをとっています。
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百貨店においては全国60店舗にショップを設けており、いわゆる百貨店レベルでの対応を行っています。
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こうしたことから様々な種類の製品のご相談に応じています。
通常の洋服のお直しに加えて、古着のサイズ調整やリメイクも承っています。
お客様のアイデアをもとに、弊社のスタッフとお客様とで相談しながら素敵なリメイク品を作り上げていきます。

また、昔のデザインを生かしながら体型に合わせたリメイクにも対応しています。

お直しというサービスは、初めて利用されるお客様にはとっつきにくい、難しいイメージを持たれる方も多いと思います。
お客様のお悩みをカウンセリングし、それぞれ適切なお直し方法をご提案いたしますので、お気軽に弊社リフォームショップまでご相談ください。

もちろん、お見積り・採寸は無料で承ります。
 

 


 

まとめ

いかがだったでしょうか。
スーツのお直しの基準と、どこまでお直し出来るのかをパンツ・スラックスとジャケットのそれぞれで紹介しました。

「少しパンツのウエストがきついかな・・・?」

「ジャケットの袖丈が少し長いのが気になるな・・・。」

など、スーツのお直しを検討されている場合、参考にしてみてください。

スーツのお直しは、年間約400万着のお直し実績があるフォルムアイまで!
ご依頼お待ちしております。


 

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